二十四の子午線





「ねえ、ゾロ。知っていた、」



「何をだよ、」



 此の女が、自分を酒に付き合わせるのは別に珍しい事ではない。
 他の連中ではとても相手にならないのだ。
 だが、同時に、決して日常的な事でもない。


 何せ、



「何処かの宗教じゃ、男同士でセックスしたら地獄行きなんですって。」



 こんな嫌みを言われる仲だ。
 仲良く杯を交わす、何て事が有る訳が無い。



「手前、酔ってんだったらとっとと寝ろ。」



 しかし、其の嫌みは、らしくなかった。
 性別など、そんなどうでも良い事を持ち出す程、馬鹿ではない。



「酔ってなんか無いわよ。此の程度で。」



 自分で自分を貶める様なものだ。
 其れだけの人間だと。



「ねえ、」



 真意が掴めない。



「馬鹿馬鹿しいと思わない、」



「何を、」



「そんなもの、男だろうが女だろうが、避妊したら同じじゃない。」



 少し、驚いて其方を見る。
 ふてくされた様な顔で、グラスを呷っていた。



「お前は、邪魔したいのか認めてんのか、どっちなんだよ。」



「知らないわよ。一寸腹が立っただけよ。」









「つーか、素で避妊だセックスだ言うんじゃねえよ。何処ぞのコックが引くぞ。」



「御心配なく。サンジ君の前でそんな事言う訳無いでしょ、」



「魔女が。」



「女優と呼んでくれる、」



 グラスに口を触れさせたまま、にこり、と、微笑んだ。



ナミは良い女だと思います。