「重い。」


 次から次に傘に積もる雪に、頭を振り振りウソップは呟いた。
 見上げれば降るのは見事な牡丹雪、踏みしめる足も同じに重い。
「綺麗なんだけどなあ……おっと、」
 前を行くルフィとの距離に気付き、慌てて其れを追う。
「遅え、」
 足音にルフィが振り向きにんまりと笑う。
「お前は軽そうに歩くんだな、」
 見れば、ルフィの傘の上には先刻の自分の三倍は有ろう、厚く雪が積もって居る。
「重くないのか、」
 聞けばルフィは「おう、」と歩き出し、
「俺のものだからな、」
 背中で笑った。
「そうか、」
「そうだ。」
 敵わないな、と苦笑い、又振りかけた頭をウソップは止めた。



「おお、遅えぞ、」
「サンジ、此なら土に落ちてねえから汚くねえぞ。」
「……全く、寒い日にわざわざ冷てえもんを食いたがる奴が居るか、」
「暑い日に鍋は食うだろ。」
「冬に冷や汗かいてどうすんだ、」
「ん、問題ねえ。」


「そう言う意味か、」
 呆けてウソップが呟いた。
我が雪と思へば軽し傘のうへ