恋愛以上友情未満

「例えば、」
テーブルの上、山査子の果凍がサンジの動きに合わせて揺れた。
「四季もしくは時間帯で、俺をイメージするとしたら、」
いつもの事ながら、
「其の無意味に唐突なのだけ何とかならねえか、」
「良いじゃんか偶には情緒の一つも覚えてみろ、本当に筋肉だけになっちまうぞ其の頭。」
サンジの言葉を聞き流し、思った以上に弾力を殺した果凍をスプーンで掬う。
色からして山査子の酸味を想像させたが、食べてみるとそうでもない。
「あ、其の氷菓と一緒に食べてみろ、意外にイケんぞ、俺も驚いた。」
赤い果凍の上に乗った、梨の様な色の氷菓を言われた通りに口に運ぶ。
「おっ。」
「んな、」
此方に使っているのが何かは分からないが(其程食べ物の名前なぞ知らない。)、
奇妙だが悪くない食感もあって、思わず頬が弛んだ。
「美味えだろ、」
テーブルから少し身を乗り出して、満足げに笑う。
「ああ。其れで、何だって、」
「……何が、」
「……先刻の、季節がどうしたこうした、」
「だから、季節か時間帯で、」
「……」
どうしたものか、と、サンジを見る。
「喩えてどうすんだ、」
「えー別に。周りの目が気になるお年頃だから。」
てへ、
笑われても嬉しくはない。
適当に、適当な答えを探した。
「あー、あれだ。春。」
「何で、」
「手前の脳味噌、年中常春じゃねえか」
「アッ、お前にだけは言われたくねえッ、お前なんてオールシーズン芽吹きっぱなしだろうがッ、」
「うるせえ此の蒲公英頭がッ、」
「アァ手前、種子飛ばすぞッ、」
「……認めんのかよ、」
「言葉の綾だ此の小春日和ッ、」
言い争いは、倉庫を挟んで女部屋からナミに怒鳴られる迄延々と続いた。
「……で、模範解答は何だったんだ、」
「うーん、取り敢えず、時にきりりと冴え渡る真冬の夜、」
「……」
「そして時にしっとりと官能的な響きさえ有る熱帯夜、」
「あー、そっちは分かる、」
はあッ、と、サンジの顔が一瞬、朱に染まった。
「うぜえ所だろ、」
「よーし手前表出ろッ、」
| 何も考えずに書いた割に 美味い具合にアホっぽく書けた気がする。 『Life』の資料に買ったアジアンスイーツの本が予想以上にツボだった記念。 何其れ。 |